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相続税申告の手順について

※2012年9月時点の税制をもとに改訂しています。

生前から納税方法を検討しておくこと

先日、農業と不動産賃貸業を行っていた父が亡くなりました。税務署から相続税申告に関する書類が届いたのですが、葬儀や法事をとり行っているうちに数ヶ月が過ぎてしまいました。相続税の申告をしなければならないのですが、どのような日程で行っていけばよいのかわかりません。相続税の申告は、いつまでにどのような手順で行えばよいのでしょうか。

相続税の申告は、相続の開始を知った日(亡くなられた日)の翌日から10ヶ月以内に行わなければなりません。また、年の途中で亡くなられた場合、亡くなられた日までの所得があれば、4ヶ月以内に所得税を申告する(準確定申告)必要があります。

 

土地をたくさんお持ちの農家の方が亡くなられた場合、相続税を申告しなければならないことが多くあります。相続税の納税資金を準備することも大変ですが、相続税を算出して申告すること自体大変な作業です。相続税は亡くなられた日の翌日から10ヶ月以内に申告しなければなりません。10ヶ月というと長いようですが、葬儀や法事をとり行っているうちにあっという間に申告期限がやってきてしまいます。今回は、相続開始(亡くなられた日)から申告期限までの大まかな流れを解説いたします。

 

通常、亡くなられた方の葬儀をとり行い、四十九日の法要が終わり一段落する頃、相続税の申告について検討し始める方が多いとは思いますが、一刻も早く動き出し専門家等に相談することをお勧めします。

まず、遺言書があるかどうか確認しましょう。公正証書遺言の場合には法律的な効力の問題は特にありませんが、自筆証書遺言等の場合には、それが法律的な効力を持つようにするために家庭裁判所で検認を受けた上で開封します。それから、亡くなられた方の財産や債務がわかる資料を準備し概要を把握します。また、生前に亡くなられた方から贈与などがあったかどうかを確認します。これでだいたいの相続税額がわかります。

百か日の法要が行われる頃には、相続財産や債務の概要を把握しておかなければなりません。もし、仮に亡くなられた方に遺産をはるかに上回るような債務がある場合には相続の放棄や限定承認の手続きをとることができます。万が一、そのような状況であることがわかったときには十分に検討し、亡くなられた日の翌日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出ることができます。

さらに、確定申告を必要とする方については、亡くなられた日の翌日から4ヶ月以内にその年1月1日から相続開始日までの所得税を申告します。これを、「準確定申告」といいます。準確定申告といっても通常の確定申告と内容は変わらず期間が変わるだけなので、日頃から書類を整理しておくことをお勧めします。また、亡くなられた方が青色申告を行っていた場合、相続人がその事業を引き継いで青色申告を行うのであれば、準確定申告の申告と同時に事業を引き継ぐ方の青色申告承認申請書を提出しなければなりません。

準確定申告が終わると、本格的に遺産分割の協議を行い、相続人がそれぞれ取得する財産の把握や負担する相続税額を算出します。それと同時に財産や債務の計上漏れがないかどうか詳しく調べていきます。また、納税資金をどのように準備するかも大きな問題です。借入をするのか土地を売却するのか、また、物納や延納をするかどうかなどを検討していくことになります。相続税を亡くなられた方の預貯金から納付しようとする場合には、金融機関等の手続きに要する時間を考慮して、少なくとも申告期限の1ヶ月前には相続税額を確定し分割協議書の作成を終わらせておく必要があります。

もし、申告期限までに分割協議が整わない場合には、ひとまず未分割で申告書を提出することができます。その場合、申告期限後3年以内に修正申告書(あるいは更正の請求)を提出すれば期限内に申告した場合と同様に配偶者の税額軽減や、小規模宅地の評価減の特例等を受けることができます。ただし、物納や農地等の相続税の納税猶予の特例を適用することはできません。

【相続税申告の大まかな流れ】

被相続人の死亡・・・ 相続の開始
・通夜、葬式
・初七日
・四十九日の法要
※被相続人の財産・債務、遺言書の有無を確認します。
3ヶ月以内・・・ ※相続の放棄または限定承認
・相続人の確認をします。
4ヶ月以内・・・ ・被相続人に係る所得税の申告・納付(準確定申告)
※被相続人が死亡した日までの所得税の申告・納付(準確定申告といいます)をします。
※遺産分割の決定・分割協議書の作成、納税猶予を受ける場合はその手続き、納税資金について検討をしながら相続税申告書を作成していきます。
10ヶ月・・・ ・相続税申告書の提出・納付

 

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